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徳川幕府の圧力と毛利・吉川の苦難 [関ケ原の合戦大阪の陣]

家康は、外様の大名のうち、島津と毛利には 特に神経を使ったと思われる。

家康は、豊臣七将の中で、勇猛果敢な攻撃で西軍に立ち向かった福島正則への功により、安芸四十九万八千石を与えた。

正則を尾張清州という交通の要所から上手く追い出し、二倍強の領国の大名に抜擢して、ご機嫌を取りつつも、所領の三分の二を没収されて不満の募る、毛利の東の抑えとして配した。

正則は、大幅な加増に気を良くして、毛利への睨みを利かせ、不穏な動きでもあれば、家康に報らせると共に、迎え撃つ態勢にあった。

家康は、家康二男である、松平秀康の娘を十四歳になった毛利秀就に嫁がせ、松平姓を名乗らせている。その他、毛利元就以来続いていた朝廷や公家との結び付きを認め、特権を許した。

その一方で、領国の中心地に築城を許さず、萩城に追いやり、江戸城、駿府城築城、大阪城の修復の普請を手伝わせ、輝元が生きている間に限っても、十八回の賦役が命ぜられ、一回に付き五万両ほどの出費を強いられている。

?知行削減に加え、労役と窮乏により、長州藩内では不満が爆発する寸前であり、長州藩の年始の挨拶は、「今年こそはやりまするか」「いやまだ早かろう」という、討幕の密談がされていたという。

また、長州藩士は、西枕で寝て、家康に足を向けたという。

しかし、財政難により力は削がれ、実行に移す事は出来なかったのである。

さて、関ヶ原の戦いにて、家康に内応する事で毛利の大名存続を図った吉川広家にも苦難は降り掛かる。

毛利輝元が石田三成の要請を受け、西軍の大将になった時点で、家康の毛利潰しの肚は決まっていただろう。合戦直前に、広家を使って打った〝内応〟という一手により、毛利の窮地を救った立役者である。

しかし、毛利宗家からは、毛利を没落・衰退させた張本人として、白眼視される。「あのまま、西軍として戦っていたら・・・」という思いが、毛利と吉川の溝を深めていた。

合戦後、吉川広家は領国経営に没頭する。とはいえ、出雲富田、十四万石から僅か三万石の岩国への減封、しかも、毛利家の家臣として分封される形である。

広家は、岩国に入ると、その地形を利用して、海抜二百メートルの横山に岩国城を築き、山の三方を迂回して流れる錦川を外堀として、南の山麓に、居館を造る事にした。

築城と同時に、町づくりにも追われる。何せ、千数百という数の出雲時代の家臣とその家族の殆んどを伴ってきている為、一万余りの人の住まいと生活の糧を確保する必要があった。

川を堰き止め家臣・町人の住む町を造り、道を設け、堤防を築き、食糧不足を補う為、海を干拓して農民の住める土地を造り、新田開発をする。また、製紙などの産業を興し、奨励している。それは、大変な苦労があったと記録に残っている。

1608年に、岩国城が完成し、城下町づくりは軌道に乗ったと思われたが思いもよらぬ事が起こった。1615年に幕府により発令された『一国一城の制』である。

広家は、命令発行に先立ち、家康より他の幾つかの藩と共に、特例として認める話が出来ていたが、毛利輝元は、あくまでも広家に城の破棄を命じ、広家は、その年の十月九日に、城の取り壊しに掛った。

吉川家は、その後も大名復帰を願い出るが、家老に留め置かれ、毛利宗家とは、ぎくしゃくした関係が続いたのである。

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